朝4時起き(東部時間)して定時で無事サンフランシスコ到着(西部時間11:38=日本時間04:38)。今日は移動日のため特に予定を入れていなかったが、ここで寝てしまうと時差ボケが出そうなので、夕方までちゃんと出歩くことにする。空港でもらってきたパンフ類を眺めると、見るべき施設・機関は多そうだ。…昨日のも含め宿舎帰還後にアップします。
 ここでの主要な目的は、こちらが勝手にご学友にしてしまった、サンフランシスコ州立大学の社会学者に、そのデジタルアーカイブプロジェクトの詳細について根掘り葉掘りすること。マイノリティのアドボカシー(カタカナばかりでいかん)が目的のひとつとのこと。マイノリティといってもいろいろあるが、ご当地で有名なひとつはゲイコミュニティ。藤吉は学生のころに「ハーヴェイ・ミルク」(YouTube)という映画を観て、性欲(肉欲)の志向が同性に向くか異性に向くかの違いだけで殺したり殺されたりが起こるとは、アメリカというのはやっぱり恐ろしい国だと感じた覚えがあるが、その記憶が25年後によみがえって今回の調査の一因となった。
 実際にはそのご学友に引率してもらえることになっているが、順調な到着に気をよくして勢いで行ってみる。どこかというとその方面では有名らしい(藤吉が知ったのは最近だが)カストロ通りと呼ばれる地区。バスや路面電車は宿の近くからもたくさん走っているが、さすがによくわからないのでてくてく1時間かけて歩いてみる。日本ではそんなことを感じたことはないが、こちらで男同士が、特に二人で歩いてたりすると、この二人のあいだに性的(肉体的)関係はあるのかしらなどと余計(なお世話)なことを考えてしまう。
 ご学友の職場はダウンタウンからちょいと離れた郊外にあるが、歩いていたら看板が目に入った。大学でサテライトでも持っているのかも。

 こういうものをゲイコミュニティと結びつける必要はさらさらないのだが、ついビビってしまうのは身に染みついた何かの性…もとい…せいに違いない。

 定番のように、こういうポスターも出ていたりする。

 目の前を歩いていた男性の二人連れが突然情熱的なちゅーを始めたり、ちょいとしたスペースでひなたぼっこでもしているのかすっぽんぽんのとっつあんが数名立ち話をしていたり(さすがにカメラは向けられなかった)、ちょっとびびったが何食わぬ顔をしててくてく。…そういえば、空港のシャトルの中では男女の二人連れが突然これまた情熱的なちゅーを始めたりしていたが、それを思い出せば、異性同士だろうが同性同士だろうが、近くで突然ちゅーをされたら藤吉はびびる、という、ただそれだけのことかも知れない。…自分が突然ちゅーをされたら腰を抜かすかも知れないな。
 そうかー、この建物があるから通りの名前がついたのかー、と、あらためて確認(あとで確かめたところ逆だった。通りの名前が劇場の名前になったんだそうな)。

 で、別にこの通りを歩くことが目的なのではなく、そこにあるGLBT History Museumというのを見学して予習するのが目的。

 たぶん話を聞きながらでは展示の説明を集中して読むことはできなかっただろう(日本語だったら人の話を聞き流しながら何かを読むということはできるのに)。てくてくした甲斐は十分にあった。
 たとえば日本にはデブ専というような言葉があり、それはその対象を笑いものにしようという意図を含むものと考えられるが、しかしだからといってデブが好きなヤツは(ついでにデブも)死にやがれなんてことにはならないだろう。基本的な位置づけはヘンな趣味のヤツ、勝手にしとけワシは関係ないもんね、どまりなのではないかと思う。これはたしかに差別的な意図を含むのかも知れないが、しかし、太っているということは自分をコントロールできない証拠、すなわち人間として欠陥のある証拠、のようなかたちで人を追い詰めていくよりもずっと寛容なあり方ではないかとも感じられる。趣味の違いを笑うのと、人間としてのあり方を咎めるのとではその過酷さにも違いが出る。…いじめのあり方が、日本とアメリカでは(当然のことながら)違うのかも知れない。明日のSFSU訪問ではそのあたりもディスカッションできればと思う。
 見る予定にはしていなかったが、どんな理由で作られたのか、たまたま帰りに別の道を通ってみたら、金門橋の模型が置いてあった。観光もしちゃったぞ、と。

 伊丹を出てからこっち、ずっと早起きモードだったのでさすがにくたびれてきた。ちょっと欲張りすぎ。明日は成田から合流するご学友の到着までちょっと惰眠をむさぼることにする。
 北米大陸の天気なう