もう梅雨だねーというような蒸し暑いじゃじゃ雨のなか議会図書館に向かう。今回お話を伺うのはアーキビストでもライブラリアンでもなく、議会図書館の中のロー・ライブラリーでロイヤーとして日本の法制度に関する情報収集を担当しておられる方。法的な面については同行のご学友お二人にまかせ、議会図書館とNARAとの役割分担とか、スタッフの規模や専門の内訳などについてお尋ねする。…やっぱりここでもテミスの天秤。

 その役割分担についてお聞きしているなかで、第二次大戦後の占領期に日本からアメリカに持ち出された諸資料のうち、こちら議会図書館にも保管されているものがあり、それを退職後もボランティアで整理している方がおられるという話題が出て、帰りがけに引き合わせていただく。…どういう経緯でNARAではなくこちらの図書館に持ち込まれたのか、今となっては事情のわからないものも多いそうな。その一部をご紹介。
 イェール大学で教鞭を執っておられたアサカワ博士(多分この方)が、日本に渡って買いつけてこられた図書、資料類の目録(の表紙だけ)。

 戦前の特高特別高等警察)が実施していた検閲の結果を、みずからスクラップブックとして保存していたもの(分類としては公文書に属するだろう)。

 時代背景もあり左翼的な刊行物が多いと見受けられたが、反社会的な活動には右翼的なものもあり、それも検閲の対象となっている。

…懐かしい名前も見える。この演説会のポスターは不問に付されたようだが。

 お話を伺っているとホントにキリがない。どんどん厚かましくなっていきそうになるのをセーブしておいとまし、宿に戻って復習と反省会。そのあともう一度街に繰り出して、ひとまずDC最後の晩餐。ご学友は明日のフライトで帰国(どちらも翌日に仕事があるため)、藤吉は次の目的地、サンフランシスコへ。調査的にも胃袋的にも消化不良寸前の満腹状態。この大層な収穫をどうかたちにするか、今年後半以降の宿題となる。
 晩餐後の帰り道、それまでずっとじゃじゃ降りだったのが雲が切れ気持ちのいい夕焼け。まずは、終わりよければすべてよし、としよう。

 北米大陸の天気なう