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 韓国のKBSテレビに「不朽の名曲」という番組があって、これがなかなか面白い(きっちり全部フォローしてるわけではないですが)。いま活躍中のアイドルといってもいいような歌手が数名、往年のヒット歌手の歌を1曲ずつ選び独自のアレンジをほどこし200名だかの聴衆を前にステージで披露して、それで歌合戦をするというもの。どの歌もステージ前に少し元歌の映像が紹介される。そして、当の往年のヒット歌手もゲストとして招かれ、アレンジされた歌に対してコメントしたりしている。
 著作権上どんな処理がされているのかわからないが、歌というのは歌手(や作詞・作曲家や事務所や…)の財産であると共にその歌をその時代に楽しみ、支持したファンの財産でもある。で、それだけだったら単なる懐メロショウになってしまうのだろうが、その歌をいま売り出し中のアイドル歌手が趣向を凝らしてアレンジし、ステージで披露するというところがなかなかと感じさせる。ホールを埋めた聴衆にカメラが向くと、それこそ20年、30年前の青春時代にその歌を歌ってたんだなと思えるようなおじさんやおばさんがアイドルの歌に会わせて口ずさんで(中にはおもっきり歌唱して)いたりする。もちろんアイドル歌手たちの現役のファン世代の若い衆もいて、「あの頃のヒット曲」が複数の世代を同時に楽しませているように感じられる(知らない歌ばっかりだが、たしかに聞いてて十分に気持ちいい。みんな声がいいしうまい。加えてはしょらずにちゃんとフルコーラス歌っているように見える)。登場するアイドル歌手には、ふだんグループで活動していてこの番組に呼ばれて初めてピンで歌うという人もいるようだ。それで聞かせるのだからすごい(失礼な驚き方)。
 もうひとついいのは、ステージ映像の合間あいまに合戦に臨む(臨んだ)歌手それぞれへのインタビューが織り込まれているところ。なぜその歌を選んだか、ステージでどういう工夫をしたかとか、合戦相手の歌手にどんな魅力を感じるかとか、歌い手としての立場からコメントしている。もちろんつくっている部分もあるのかも知れないが、同業者が商売敵であると共に、あるいはそれ以上に同じ歌の世界でがんばる仲間だという気持ちがよく伝わってくるようなコメントが出されている。歌い手さんに対して最近の私生活とかハマっていることとか、そういうことでなく歌にまつわる話題で話を引きだしているところがいい。…歌謡曲の、こういう楽しみ方というのが今の日本のテレビ番組にもあるのかどうか、テレビといえばニュース(あとF1と時どきJリーグ)くらいしか見なくなってしまった藤吉にはよくわからない(定期的に見てたのは「ザ・ベストテン」=今はむかし=くらいだし)。次はどんな新しい子が出てくるんだ、新メンバーはどんな子なんだ(あの子はもう旬を過ぎたよね)というような関心が席捲しているように見える状態では、温故愉新のようなことはなかなか望めないかも知れない。…タレントも政治家も、どころか、人間そのものが使い捨てじゃないかなどと悪態をついても始まらない。
…てなことを書いてからあらためて調べてみたらKBSのサイトにそのページがあった。だけでなく、この番組が他局の番組のパクりじゃないかという記事まで出ていた。まあそれはそれとして、ヒョリンいうおねーちゃんの歌は聴いてて気持ちがいい。キューティーハニー(実写版)を歌っていたころの倖田さんを思い出してしまった。特に熱心なフォロワーではないが、浅倉さんとのコンビを解消したあとアニソンに活路を見出した西川さんのように、倖田さんもいい曲に恵まれてほしいと思う(ちゃんとフォローもしてないで言っちゃいけないんだが)。