ポピュリズムという語の意味には随分と幅があるようだが、たとえばそれを「大衆迎合主義」ととるなら、迎合する側への批判にはあまり(多分)意味がない。する側にはする側で、それなりに「背に腹は替えられぬ」事情があるのだろうから。といって迎合される側への批判なら意味があるかというとこれも心許ない。せいぜいがとこ「私を巻きこむな」と、一度は言ってみる、くらいの意味しかないかも知れない。それでも言わないより言った方がマシとするかどうか、判断の分かれるところだろう。「君死にたまうことなかれ」をそういう目で読んでみるのも一興なり。