しゃべくることによって自分の興味の輪郭がはっきりすることもある。で、はっきりすれば、ああ、これにはやっぱ興味ないわと安心できることもある。大事です、時には興味ない人と話すのも(倒置法)。
 ローマでもいろいろとご苦労があったようだ。

 アウグストゥスの法律は多くの障害に遭った。そしてそれが作られて三十四年後に、ローマの騎士たちはその撤回を彼に求めた。彼は一方の側に結婚したものを並ばせ、他方に結婚していない者を並ばせた。後者の方が多数であった。これは公民たちを驚かせ困惑させた。アウグストゥスは昔の戸口総監の重々しさをもって彼らに次のように述べた。
 「病気や戦争がわれわれからかくも多くの公民を奪ってゆくときに、人々がもはや婚姻を結ばなくなったら、都市はどうなるであろうか。都市国家(シテ)は決して家屋や回廊や、公共広場から成立っているのではない。都市国家(シテ)を構成しているのは人間である。お伽噺にあるように、人間が諸君の仕事に心を配るために地底から出てくるのを諸君は見ることはあるまい。諸君が独身のままでいるのは孤独に生きるためではない。諸君はそれぞれ食卓と寝床をともにする女友達をもっている。そして諸君はただ諸君の放縦の中に平和を求めているにすぎない。諸君はウェスタの処女たちの例を引くだろうか。しからば、もし諸君が貞潔の掟を守らないとしたら、彼女らと同様諸君をも罰しなければなるまい。諸君は、すべての人が諸君の例を見習おうと、誰もそれに追随するものがなかろうと、いずれにせよ悪しき公民である。私の唯一の目的は共和国の永続である。……後略……。」(モンテスキュー=野田ほか訳=『法の精神』(中)岩波文庫、pp. 368-369)

 …前回までのあらすじ的な。
募集中だそうです。…いつの間にか取扱い停止になっている。
 今日のAQI
 今日・明日のエアロゾル九州大学
 地には平和を。
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