日本の田舎の観光地のドライブインのような外観にびびりながらチェックイン。おねいさんの愛想は大変によろしく安心できる。で、もらった鍵を部屋のドアにさしこむ。閉まってからちょっとぎゅっとしないと鍵がかからない。要注意。

 部屋は窓なし、トイレ、バス、シャワーなし。報告できると決まったのが2週間ほど前、そこからバタバタッと飛行機と宿を決めたのだが、ストックホルムの2クール目の宿がなかなか決まらず、というか残ってるのが3万とか4万とかおよそ貧乏出張に似つかわしくないところばかり。気になるのは安全だけだったが、まあウィキペディアでも(ちがいます)☆こそふたつだったが危険というコメントはあんまりなかったので街なかからちょいと離れていたここに決める。トイレなしってのはけっこう不便。いちいち服着ないと用を足せないのは存外めんどくさい。で、ベッドの両側はほとんどスペースなし。

 ベッドから1mほどスペースをおいてこの机。部屋に空調はなく扇風機があります。外は快適な空気だからいいけど。で、机のこっちはドア。まさに鰻乃寝床。ちなみにタオルはチェックインの時にフロントで大きいのを1枚もらいます(2日目に部屋に戻ってもとのまんまだったので吃驚したが、タオルは3日に一度の交換がお約束らしい)。

 混み合う前に早めにシャワーしておこうと偵察。左にシャワールーム4つ、右にベンチひとつ。服などをベンチ上のハンガーにかけ、脱いだ靴の上に靴下やパンツを置いておく。慣れてるあんちゃんはマイサンダルをもってきているようだ。さすが。

 シャワールーム内部。画像では見にくいがシャワーの持ち手のすぐ下あたりに半透明の石けん置きがある。この位置がすでにばんざいして手を伸ばさないといけない位置。のっぽさん仕様。他にものを置くスペースもなし。いろいろスーツケースに詰め込み部屋の鍵をシャワールームに持ち込む。ずっと靴はきっぱなしなので足の甲に勢いよくシャワーをかけると失神しそうに気持ちいい。足の裏にもかけてぐひぐひ。

 さっぱりしたら街で食べ物の物色。いい加減しゃべるのがめんどくなっているのでコンビニ(近くのセブンイレブン)で調達。スウェーデン人的にはパスタサラダだが、日本人的にはサラダパスタ。緑のボトルは野菜ジュースをイメージしていたらトロピカルフルーツ味のヤクルトみたいだった。ちゃんと見て買ってないし。

 ウプサラ大学アーカイブズの復習メモをすませ、一服して寝ようと外に出たらテーブルであんちゃんが一服中。一緒に一服しながらついあれこれしゃべる。セルビアから出張に来てるITエンジニア。どっちもカタコトだからかえってゆっくりしゃべれてよろしい。2時間弱話し込んで現地時間午前1時。昨日までならすっかり寝てる時間。でも空はまだ明るい。

 以上きのうのつづき。
 朝ご飯のカフェでセルビア人のあんちゃんに再会。夕べ復習の打ち込みをすませた後お休み前の一服に出たところちょうど居合わせ、あれこれしゃべって寝るのが遅くなってしまった。が、EUユーゴスラビアをヒントにしたんだよという発言にはちょっと不意を衝かれた(まさかスウェーデンまで来てチトーの話をするとは思わんかった)。こっちがも少しいろいろ知ってたらもっと話せたかも。まあ、やむなし。ともあれ、いろいろあるが国をあきらめていない(この表現は多義的すぎるが)のは立派と言うべし。12月に赤ちゃんが生まれるらしい。よいクリスマスになりますように(ギリシア正教のクリスマスについてはよく知らないが)。
 今日はナショナルアーカイブズへの訪問。午後からなのでちょっと余裕がある。あいかわらず明るい朝。宿の下に広がる公園の芝生では芝刈り中。別に作業中立入禁止にしたり係員が「危険なので近づかないで下さい」などと叫んだりもしていない。

 早めについて向こうでゆっくり待機すべくお昼前に宿を出て地下鉄の駅までてくてく歩く。紳士服の広告から出てきたような上背のある颯爽としたスーツ姿のあんちゃんが3人並んで歩いているとほれぼれ。こういうデカい人が肉弾戦をやってるのをみたらそら圧巻だろう。サッカーを見るのと競馬を見るのとは、こっちの人には通じるものが何かあるのかも知れない。…などとアホなことを考えながら歩いてたらなつかしい看板。外資だったのか。

 前半と合わせて4日目、だいぶ地図と照合しながら歩けるようになってきた。宿から小一時間歩いて目当ての駅(前回の宿の近く)もぶじ見つかり、ホームの左右どっち、電車の前後どっちから乗るかを確認し、降りたホームで左右どっち、電車の前後どっちに乗るかを確認しつつ慎重に。順調に目的の駅まで。例の親切あんちゃんに恵まれたところ。今回は地図が見つかるほど気分に余裕がある。右の方にStads-Arkivet と読めます。

 アポの2時間前に近所まで到着。順調な道のりに気分よくそばのスーパーでお昼の買い出し。公園に戻ってベンチでもぐもぐ。今日も芝生に横たわる水着のおねいさん、もちろんおにいさんがたくさん。だいぶ慣れてきたゾ。食べ終わってそのままベンチでしばらく昼寝。日なたではあるが空気が乾燥していてゆるゆると風もあるので快適。
 お昼寝後さっぱりしてアポの15分前にアーカイブズ到着。受付で自分の名前、所属、アポとってる相手の名前を入れることになっている。

 で、後ろを見るとICAの宣言が。

 あちこちカメラにおさめていたら担当者氏が出てきて下さる。お忙しいなか突然のリクエストに応じて下さって感謝。小一時間ほど彼女の部屋で質疑応答、必要に応じてパソコン画面で表示しながらのご説明を受ける。で、やっぱりここにもあったわー、写真つきの収監者記録。100年ほど前の分からネットで見られます。思い返せばメルボルンの Old Melbourne Gaol で同じ収監者記録が写真入りで使われているのにどびっくりしたのがアーカイブズに足を突っ込むひとつのきっかけであった。「この人が100年前に収監されていたということは、その孫の世代がストックホルムで存命中の可能性もありますよね」「ありますね」「親が犯罪者とか、祖父母が犯罪者とか、バレてても平気なんですか、そういう人は」「そうですね」「日本では考えられません。家族や親族が犯罪者になったらそれはものすごいスティグマです」…「で、じいさんが犯罪者だったことはわたしには関係ないことと言う一方で、みなさんジニアロジーがお好きですよね。祖先とは関係ないと言いながら祖先に関心があるというこのへんは、どうやって説明するのがいいでしょうか」(以下略)。
…彼女自身はヒストリーの出自で普段は草書体で書かれたラテン語の記録類を解読し、活字の出版物にする作業に従事しているとのこと。で、ひとしきりお話を伺ったところでこの館の地下にある収蔵庫へ。最下層は地下6階。ここのエレベータもウプサラのホテルのと一緒。下降中の箱から見る入口側の壁面が上昇している。昔の3D図面。ページをめくると鉱山の様子が階層ごとに示されている。

 いろいろと見せていただき受付まで戻ってくる。ご担当者氏にも受付のおねいさんにもお礼を述べて退出。帰り道、またもやセブンイレブンで購入した晩ご飯をすませると一気に睡魔。昨日よりはるかに早い時間におやすみなさい。部屋の防音はけっこうしっかりしている。割と大きな音でテレビをつけていても廊下には漏れてない。が、両隣の住人が出入りするときのドアの開け閉ての音がごごんと響く。寝入りばなだとびっくりして目が醒めるが寝ついてしまえば問題なくくかー。
 こういう宿にいるとなんだか自分がすごい旅慣れた人間に錯覚するが実はちっともそうではないことに注意すべし。
募集中だそうです。…いつの間にか取扱い停止になっている。
 今日のAQI
 今日・明日のエアロゾル九州大学
 地には平和を。
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