バスケットボールかサッカーボールくらいの大きさの鉄球を吊して静止させておく。その横に10センチくらい離して電球を置く。せっかくなので夜の工事現場でつかうような強力なのを置く。電球のスイッチを入れると光だけでなく熱も放射される。その熱で鉄球の温度は上昇する。電球から一番近い部分が一番高温になり、周辺にいくほど温度は下がるだろう。サーモグラフィで見れば、鉄球の正面に当たる中心部分が真っ白、そこから同心円状に赤からオレンジ、黄色…と変化していって、電球の反対側は水色から紫になっていくだろう。
 この鉄球を、吊した部分を中心に回転させてみる。ゆっくり(たとえば1日に1回転とか)動かせばサーモグラフィの模様は鉄球の回転にかかわらずほとんど静止状態と変わらないと予想される。反対に速く(1分に1回転とか)動かすとどうなるだろうか。電球に最も近い部分から同心円状にできていた模様が、横向きの縞模様になるんじゃないだろうか。あるいはそれよりもゆっくり(1時間に1回転とか)動かすと、回転する方向と反対側(後ろ側といったらいいか)に同心円が流れてしっぽを巻かないペイズリー柄のようになるんじゃないか。鉄球ではなくめちゃくちゃ熱伝導率の高い球体をつかえば静止してるか回転してるかに関係なく球体全体が高温になるかもしれない。熱伝導率の低い球体だったら光の当たる部分だけが高温になって後ろ半球は青と紫の低温模様になるかもしれない。
 そういう鉄球の周囲を鉄球よりちょいと大きめの透明なビニールボールで覆い、中に水蒸気を入れて、それで回転させてみる。回転速度を一定に保ってしばらく置いておくと、鉄球とビニールに挟まれた水蒸気の動きには定常的な状態が見られるかもしれない。そういう状態ができたところで鉄球の表面の一部分にニクロム線か何かでできた熱源を置くと、もともと見られた定常的状態とは異なる定常的状態ができるかもしれない(頭の中で考えてるだけだから「だろう」「かもしれない」ばっかり)。それは、登場した熱源を条件として変化した結果の定常状態だから、ある意味で「正常な(もしくは「自然な」)変化」と言いうる。
 地球は単純な鉄球ではない。また生物という熱源に加えて人工的な熱源もどんどん増えているから、それを条件として、もっぱら日光だけで空気(や水や地表)が温められていた時代とは異なる熱の移動が起こるだろう。加えて厄介なのは、地球の自転軸が公転面に対して若干かたむいている(22.5°だったか)ことだ。むき出しの鉄球でサーモグラフィがどんな模様を描くのかも、にわかにはイメージしがたい。…時に「異常」呼ばわりされる気候変化はそういう条件に応じて生じている部分もあるだろうから、実は異常でもなんでもないという可能性は十分にある。気象に異常か正常かというのはなく、単にそれが「これまで人間が慣れ親しんでいた状態と(びっくりする程度には)異なる」かどうかというだけの話ともいいうる。外部の熱源である太陽がずっと同じ温度であるという保証もないわけだし。
 やっぱりぬくくなっているのかも。危機あおりをするつもりはありませんが。
 京都府立総合資料館、新館開設担当職員の募集(任期つき)が始まりました。
 先日あった学内でのレントゲン検診に並んでいると学生さんが数名入れ替わり立ち替わり(というほど多くなかったが)同じセリフを言いに来た。「先生、昨日(今日)の授業いけなかったんですけど、来週から行きますから、お願いしゃっす!」。「まあ、来てから考えるわ」とこちらもほぼ同じことを繰り返していたらうしろに並んでいたまた別の学生さんがぼそり。「高野山は、ごまをたく前にごまをすりますからね」…そうであったか。お若いのに目が肥えてらっしゃる。
 で、ここに入れてもらうことになりそう。
募集中だそうです。
 今日のAQI
 今日・明日のエアロゾル九州大学
 地には平和を。