山上1℃、空は春、空気は冬、早春スケッチブックな穏やかな晴れ。今日も今日とて午前から会議。むひむひ!
 けっきょく昨日の会議(午後の部)が何だったのかというと、文科省助成情報を先週の末に知った学内関係者が、それについて、

・今回500件近く採択する大規模なものらしい、 
・この規模の助成に手も挙げないような大学は見捨てられても仕方ない、 
・締切まであと10日ほどしかない、
・手ぐらい挙げなくてどうするんだ!

と慌て、急遽学長に招集を働きかけて開催されたものとまとめてよいだろう。実際にはこの助成で採択されるのは数十件ていどと見込んでよく、かつ、この枠組みでの事業は既に5年近く前から始まっているもの。「バスに乗り遅れるな!」と慌てる必要は毛頭ないと言ってよい。言うとすれば「かれこれ5年も同様の枠組みで募集をかけているのに1回も手を挙げない大学ってどうよ」だろう。
 助成情報を関係者が知ってから会議招集までに上記のこと程度さえ確認されるしくみがない(個人の独り合点で会議が招集されてしまう)というのが本学の致命的な組織上の難点である(早合点で他人の時間を無用に使ってしまうことへの恥じらいをもう少し持ってもよい)。
 まあそうツンのめって言いがかりをつけずとも、文科省、学術振興会、あるいは私学財団を含む民間財団による外部資金の情報を学内(教員)に浸透させるフォーマルなしくみがそもそも本学には存在しないということが根っこにあると言ってもよい(普段ぼんやりしてるからちょっとした刺激で過剰反応が起きる)。気に病むならこっちの方でしょうなあ。
 ともあれ、大学で組織的に研究プロジェクトを立てるなら密教学科が核にならざるを得ないということが確認されたのは、ケガの功名といってよろしい。今後数ヶ月の間にどんな動きがなされるか、学科集団がタダの集まりではなく有機的連携(ベンリな用語!)をもったファカルティ(研究チーム)であるかどうかを検証する試金石となりましょう。前にも似たようなことを書いた覚えがあるが、a. 本学の(ひいては高野山の)研究資産を使って、b. 本学のスタッフが、c. あわよくば他機関の研究者も糾合し、d. 加えてあわよくば本学の院生、学生への教育効果もあるようなかたち(タダの下働きにしない)で、e. 事後の成果を何らかのかたちで社会還元できるような研究プロジェクトを、f. 普段から準備して進めておくことが重要。こういう日常的な積み上げなしに募集のあった時にあたふたするというのはいろいろバレてしまうから慎むのがよいと思う。
 教務担当の副学長は、学科のまとめ役ではなく、集約された学科の都合を(学長と相談しつつ)大学の都合とすりあわせするのが本務であるということが、ここまでの検討から副産物として導かれる認識である。これについてはしっかりと務めます(言質を置いとく)。
 たとえば学術振興会には「学振便り」という月刊のメールマガジンがあって、今後予定されている助成事業の情報などが載っている。バックナンバーは学振サイトで公開されている。それを見ると3月号(まだウェブ公開はされてない)だと、5月に公募開始の事業が紹介されていたりする。…もう何かやってることがあって、それなりに目鼻もついてきて、「ここでドンとお金おりるとガガッと進むんだけどなあ」なんて考えてる研究者は、そういう目でこういう情報を見ているだろう。公募が始まってから(しかも締切が迫ってきてから)じたばたするの(何をネタに出せばいいのっ!?)とは、どだい土台がちがう。せめて半年くらいは先を見越して動きたいものだ。公募がかかってから「このスキームで出せるネタはないだろうか」と考えるのが本学的スタンスであるとすると、求められるのは、これからかかる公募の一覧を眺めつつ「このスキームならこのネタはどうはめこめるかな」と品定めするスタンスである。しかも重要なのは、「このネタに公金を突っ込むことにはいかなる(学術的・社会的)意義があるか」をきちんと素人に伝わる言葉にできること。なにごとも練習が大事ですね。
…普段ちゃんとやってないからギリギリになって無駄にあわてるんですよ。って、どこかで聞いたことのある忠告だったりして。うぷぷぷ。
 本学サイトにも案内をアップしました。どうぞご来場を(おもに近在向けアナウンス)。もう来週です。
 そういうと、こんなんあるそうです。
 地には平和を。
…浮き足だってるわりに愚図、という形容はどうか。
 もう5日も3月を使ってしまった…。