和歌山県では県立文書館(けんりつもんじょかん)が中心となり1997〜2005年度に「民間所在資料保存状況調査」が行なわれているそうだ(この前の近畿部会例会報告より)。そしてそれと並行して「民間所在資料等防災システム」も構築が進められたようだ(このへんの情報は文書館のサイトでも入手できる。その後ちゃんとアップデートされているのかについてはよくわからない)。が、残念ながら昨年の台風水害ではどちらも活用されることなく終わってしまったようだ(だからアップデートされてないのかも)。重要な目標を掲げて大きな予算をつけ、鳴り物入りで取り組まれたことがその後数年もたたずにおシャカになっていくというのは「とにかくその時点その時点で最も補助金の取りやすそうなスキームを思いつく」ことが地方自治体の職員(の一部)に最優先される能力となってしまっているからではないか(あれ?…大学もそうか…?)。あるいは、調査が終わって7年もたてば館長も代わり館の方針も変わっているということかもしれない。が、トップが代わって変化していく部分とトップが代わっても堅持しなければならない部分の区分けがきちんとできていないのだとすれば、それはそもそも組織としてスカタン状態にあるということを意味していると見なしてよい。
 和歌山県立文書館のトップページには「災害レスキュー」どころか「災害対策」という語句すら出ていない(防災グッズという語句はあるが、これは館内向け)。画面上部についている「新着情報」には台風の「た」の字もない。いいのか。文書館はみずからの仕事として「県内各地に残されている古文書等の保存環境の適正化を促進し、貴重な歴史資料の散逸や破損を防止するよう努めています。」と謳っている(最下段に、ではあるが)。…今回は、どうかな。

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 台風なう