今日も政府機関に訪問。出かける前にテレビをつけていると朝っぱらから「あなたがどこから来たか見つけましょう」なるCM。オンラインでこういうのをやっているらしい。
 例のなくなってしまった NO JOBS ON A DEAD PLANET の煙突のあとにアンダーコンストラクションなビルディングを宿の部屋から見る。今日もいい天気になりそう。

 昨日と同じ無料のシティサークル外回り(と言っていいのかどうか)で街の東へ。ほぼ同じところで下車して向かうのはDoTF

 記録管理には各スタッフの業務に関する記録を中枢で適切にキャプチャ(取得)し分類しておくという基本的な目的があるが、キャプチャするためには、スタッフが組織中枢による記録キャプチャが可能な状態で記録をつけるということが、常態になっていなければならない。が、ここ10年ほどの間に仕事はオフィスのデスクトップでという習慣がどんどん希薄化し、けっこう重要な業務情報がUSBメモリに入って街中を歩きまわるというようなことが懸念されているそうだ。加えて、メールによるやりとりも個人の持つモバイル機器(要は携帯やスマホ)でなされることも増え、それが個人の私的なアカウントでやられないようにするための体制整備も課題とのこと。日本では業務用デバイスの私用が時々問題になったりするが、こちらでは業務の連絡は業務アカウントでやる体制の徹底が重要と見受けられた。考えれば藤吉も大半の業務連絡をホットメールでやっている。それを理由にホットメールアカウントによるやりとりをごそっと大学に抜かれたらトホホなことこの上なし。
 昨日お邪魔した建物での入館証にはバーコードがついており、それをゲートにスキャンさせて入るようになっていたが、今日は台帳に名前を書き、自分のサインしたカードを首からぶら下げてゲートまでお迎えに来てもらう。…大蔵省だしこういうところが鷹揚なのかも。面談ではこちらから送っておいた質問ひとつひとつについて順に質疑応答、日本での状況説明も交えたりして結構大変。その分おもしろい話になったと思う。
 見上げると秋の雲。というのは錯覚で、早春の空でございます。好天つづきでラッキー。

 午前の部の会場を辞し午後は宿の近くのためいったん部屋で各自お昼ご飯。前回と比べ街のあちこちにセブンイレブンが増えている。次の訪問まであんまり時間がないので、そこでお寿司を買ってペットボトルの水で流し込む。ランチャームもついてます。

 で、午後は旧知のQ氏を訪問。民間企業に移籍してはいるが今もVERS Steering Committee のメンバーとしてアドバイスをつづけておられる。ここでの話で重要と感じたのは、いわゆる公的な記録はアーカイブズに入ったら「歴史的」資料になることがほぼ決まりだが、保険会社のようなある種の民間企業では何十年も前の記録が「現用」文書だということ。生命保険などのことを考えればうなずけることだが、その方向をVERS も狙っているのではないかとの感触。情報公開法と公文書管理法がどのように一本化できるかを考えておくことは日本でも重要な課題になるかも知れない。まあ、そうしたくないみなさんも多いかも知れないが。
 勢いでセッション晩の部。授業をすませて街まで出てきて下さったマケミッシュ先生、アップワード先生と合流。これまでのサポートに感謝し、これから考えていきたいことなどについてあれこれ。記録を残すというのは証拠を残すということでもあるが、それは「あとで追及できるように」でも「あとで言い訳できるように」でもなく(それもあっていいが)、基本的には合意を積み上げていくことであるというのが重要な部分であることを改めて確認。
 晩ご飯をしながらオーストラリアのお話なども伺う。記録とりはいい加減にしておいて既成事実を力づくで積み重ね異論を踏みつぶしていくようなやり方がone reason of Fukushima Disaster であり、それは過去のことに構っているヒマがあればとっとと出かけて次の仕事を取ってこい的雰囲気に流されやすいemerging economy にありがちなことじゃないかという観測を出してみたら、オーストラリアも政府や企業の記録管理にかかわって痛い目にあった経験をもっているというお話を聞かせて下さった(1980年代ごろ)。それから、8月にブリスベンで開かれたICAの大会では日本の国立公文書館から災害時の資料救出に関する報告がなされ、それがなかなかimpressive であったと。
 しゃべっていると相変わらずあっという間。メニューにこんな記載があったことにあとから気づく。

 
…ゆきとどいた記録管理には帝国主義の副産物という側面もありそうだ。
…そうこうしているうちにも原稿続々到着中。やっぱりメールは便利だが…むきー!
 
 台風なう   オセアニアの天気なう