またしても4月半ばからためこんでしまった新聞をとばし読み(ほとんど見出しだけ。時々本文)。その勢いで2月のデリー滞在中に毎日部屋入れがあった新聞 hindustantimes もとばし読み。置いてくりゃいいのにこういうのまで持ち帰ってしまうのが貧乏性である。で、日本のよりやや縦長の紙面いっぱいに花婿や花嫁募集の記事(1件数行の小さいの)が地域別にびっしり並んでたり、これまた紙面いっぱいに死亡告知や周年告知の記事(こちらは写真入りのハガキ大のものから10行程度の小さいのまで人によっていろいろ。どうも日本の死亡告知記事とは異なり家族や関係者たちが出稿してるようだ)が並んでたりするのにびっくり。それはそれとして、途中、"Miss to Mrs: what else to do when changing title" という記事があり、インドの結婚事情についてはほとんど無知ながら興味深く読んだ。リードの部分だけ訳してみる(もと記事はヒンディー語ではなく英語です。念のため…紙面には部分的にヒンディー語と思われる活字の記事もあり、眺めているとそれはそれでまた楽しい)。登場人物のファーストネームはイニシャルのみに改変。

 結婚によって生活は変わり、多くの女性にとって生活の変化には名前の変化も一緒についてくる。G. フェルナンデスさんはムンバイに住む教師だが、ミュージシャンでIT専門職でもあるA. ミランダさんと婚約中で数か月後には結婚する予定。「最初は、結婚したら自分のフェルナンデスの代わりに彼のミランダという苗字を使わなきゃいけないのかと悩んでいました」とフェルナンデスさん。「でもその後、苗字を変えることにしました。やっぱりそれが一緒にいるしるしだし、そっちの方が素敵 cool だからです」この20代女性の選択が伝統的で一番広く行なわれているものではあるのだが、近年は多くの女性がもともとの苗字にとどまっているし、夫の苗字をそのうしろにつけ足すというやり方をする女性もいる。Aishwarya Rai Bachchan の名はご存知だろう。
 苗字を変えるか変えないかというのは非常に個人的な選択だが、もし変えるのであれば法律や経済関係の書類を苗字の変更に合わせて変更しておかないといけない。名前を変えることに決めたらやるべきことのクイックガイドはこちら。

 こういうリード文に続けて役所で結婚証明をもらうには申請から1、2か月はかかるとか免許証やパスポート、それから有権者証明書(とでも訳すか、Voter's Identity Card)の氏名変更、さらには預金通帳の名義変更などについて説明されている。おもしろいのは PAN card と呼ばれるもの。これに記載してある苗字も変えないといけないのだが、Permanent Account Number を略して PAN だそうだから、国民のお金の出入りを一元的に管理するための番号といったあたりかも知れない。現在では PAN card のコピーをつけないといろいろなお金のやりとりがむずかしくなっているようだ。一定額以上の収入のある国民対象という限定つきでインドはすでに国民総背番号制を敷いているのかも知れない。…見たところあくまで家族の一員としてどうこう(扶養家族になるとか)よりも、結婚して名前を変えた個人としてどうこうという説明になっている。business のページに載っている記事だからかも知れないが。
 それはそれとして、今週の金曜には九度山こんなイベントが開かれます。ご用とお急ぎのない向きはぜひお運びを。