山上15℃、明るいくもり。
 1コマ目の授業中、学生さんたちの会話に引きずられてついいらんことを口ばしってしまった。節度のある先生を自然にやれるようになるまでには、まだまだ意識的な訓練が必要でござる。ぷぷぷ。
 指先がすべすべでタバコを気持ちよく取り出せない。秋の訪れを否応なく感じさせられる今日このごろ。
 以下、いずれも本山美彦『金融権力』(岩波新書)より。

イラクフセイン元大統領は、石油のドル建てをユーロ建てに変えようと世界に呼びかけた。多くの産油国がそれに乗ろうとした雰囲気が出てくるや否や、アメリカは、フセイン体制を叩き潰した。(pp. 172-173)

そもそも、会社には、実態よりも利益があるとの見せかけをする誘因と、実態よりも利益が上がっていないとの見せかけをする誘因とがある。どちらの虚偽の誘因に会社が駆られるのかは、その時々の事情による。これまでは、利益の上がった会社が、法人税を免れるために利益を隠すというのが粉飾決算の一般的な姿であった。しかし近年は、粉飾決算の多くが、見せかけの過大利益を誇示している。ここに、問題の本質が横たわっている。利益が上がれば株価が上がる。株価が上がれば、他社を株式交換で吸収しやすくなる。そしてなによりも、経営陣はストック・オプション(価格が上がった株を売却して利益を得る権利)によって、自社株が上がれば自己の報酬を増やせる。(p. 186)

 どっちもよく知らなかったしよく考えたことのないことだった。新聞を毎日なめるように読んでいると、こういうことに意識がいくようになるんだろうか。むー。