むかーし、まだ「日帝本国人」などという言葉がうっすらと(藤吉のまわりには)残っていた時分、アジアの人びととの連帯とかなんとか、そういうこと言うのがいるからかえって「まだ日本(人)にも見込みがあるかも知れない」などとヘンな期待を周囲に持たせてしまう。いっそそんなん全部やめにして、さっさと日本が嫌われるようになっちまえばいいのにみたいなことを考えていたことがあったのを思い出した。なんで思い出したのかというと、妙にリキんで「祖国敗北主義」だの「反日亡国」だの言わずとも(しかしまあ、あらためて文字にしてみるとえらい勇ましい言葉であるなあ)日本人が子どもを生まなくなればおのずと日本は衰えていくのであるなあということを思いついたから。散財する日本人を必要とする日本株式会社は巧まずして当の客である日本人を減らすという快挙を成し遂げつつある、と(そのぶん社員としての日本人からの吸い上げを増やさざるを得なくはなるが)。その意味でも連中の方がやっぱり一枚上手だったと言わざるを得ないなあ(と今のところは思う)。で、なんでそんなことを今さら思いついたのかと言えば、‘How long will men make war? ― As long as women have children.”なんて文章に出くわしてしまったから(Nancy Huston, “The Matrix of War: Mothers and Heroes,” in Susan Rubin Suleiman, ed., The Female Body in Western Culture)。ちょっと脈絡はぶっ飛んでいるが、ともあれなんだか、昔のことが思い出されて懐かしいぞ…日本なんか嫌われ者になっちまえばいいのにと思っていた頃、日本が嫌われ者になったら自分はどこで何をしていると考えていたんだろうか。…今となってはよくわからない…。