マザー・テレサのなにがすごいといって(と言いつつ詳しくは存じ上げませんが)、「あんなところ」でずっと献身的な活動を続けておられた、ということにばかり目を向けるべきではない。むしろ、「あんなところ」で活動なさっていたにもかかわらず、90才近くの生涯を送られたということこそが注目されるべきだ。見るに見かねる、いてもたってもいられないような光景は、それこそ、掃いて捨てるほどあったに違いない。しかし、今そこにある悲惨のすべてにかかわっていたら、自分自身をオシャカ(弁士注意!)にするのにそれほど時間は要しなかったはずだ。思わず手を出しそうになる悲惨の前で、自分の限界をわきまえて踏みとどまること。…クリスチャンだから人間=自分の非力を受容しやすかったのか。とすると、その点、日本人はタチが悪いのかもなー。長生きしようぜ、ご同輩。