大会2日目。
 戦後の混乱期、散逸する歴史資料の保存運動から始まった(という話の)全史料協活動は、ここ数年で節目を迎えつつある。自治体史の編纂が全国で大方終了する一方、緊縮財政のかけ声のもと文化事業への公的支出は削減の一方である。歴史(という好事家の道楽)に供するためにわざわざ税金を使う必要があるのか、という声は決して小さくない。これに抗するだけの議論を構築する一方で、現実の利用者を増やすという試みも重ねられている。今日の午後に行なわれた、尼崎市立地域研究史料館の報告もそれに関連するものだった。で、前者はというと、制定20年を迎えた公文書館法を現場でどのように生かしていくのか、という課題が重要と言える。行政の仕事にはその根拠となる法がある。法をキチンと把握した上で、それに沿った業務遂行を心がけることが重要である。前任者から引継ぎを受けたからといって、当の前任者が法を踏まえた業務遂行をしていたとは限らない。…要するに、初任者研修においてだけでなく、着任して何年かごとに、自分たちの仕事を裏づけるルールに関する理解を深めるような研修体制を整えていかなければならない。そのためにもアーカイブズの役割は重要である、と(途中、若干のはしょりあり)。
 大学の運営にも同じことが言える。自分たちの仕事がどのようなルールによってコントロールされているか、職員も教員も過不足なく理解しておく必要があるし、そのための研修の場を設けることは、大学の責任であろう。いやしくもしかるべきポジションに就いていながら大学設置基準はおろか自校の履修規程さえ満足に理解していない、というのでは下々に対して示しがつかないということであり、そういうのを選んでいたりする下々であれば、何があっても身から出たさびということだ。
 話題になったのは、愚な上司のもとで働く部下と、愚な部下を抱えた上司と、どっちがツライかということ。これ、こういうこと笑い話にできるうちは、まだまだ大丈夫かもねー。
 それにしても、こういう全国レベルの議論の場で電子文書管理を扱うにはどんな切り口がいいのか、思案のしどころでござる。
 終了後、年に1回しか会えない人たちと連れだって晩ご飯。もうちょっとすると近畿部会の例会が100回を迎える。そのためのイベントであれこれ入れ知恵をもらう。おもしろい集まりにできるといいなあ。
 宿への帰り道、今日も奈良の夜空はキレイな満月(に近い月。正確なところはわからない)。撮影してみたが、どれも手ぶれで満足に写っていない。残念なり。