伝統にもそれなりの意義はある。昔はこうだったとか、あの時はああだったとか、今を考える際の参照点として、過去はそれなりの意味をもつ。が、前はこうしていたという時には、単純にそのことをしていたという<事柄>だけでなく、そのことをする(できる)人間がいた、という<担い手>のことも考え合わせないといけないだろう。できもしないことを(あっぷあっぷになって、しかも中途半端にしかやれないことを)やれるつもりになっているのだとしたら、それこそ笑止というべし。