大阪は梅田、梅田東学習ルームで開催の大阪歴科協の例会へ。内容は、美術館、博物館における指定管理者制度の導入と展示業者の戦略について、といった感じか。報告1本、それに対するコメント2本というふれこみだったがさにあらず。それぞれ独立した濃密な報告が50分×3本、質疑応答とディスカッションが90分、その間にトイレ休憩が10分のみ。内容自体は充実したものだったが、そのタフさに圧倒される。歴史家って馬力あるなあ、どういう専攻に進むかってのはこういう体力なんかとも関係あるかも知れんなあ、と余計ごとを考える。むかしひとつ屋根の下で暮らしたK氏がこの集まりの関係者のみなさんと顔つなぎをしてくださる。
 報告のなかでおもしろい話が紹介されていた。国内の某大学博物館が5年任期の助教授を募集し、書類と面接で数名まで絞ったあと、残った候補者にさらにひとつ、選考のための課題を出したのだが、その課題がふるっている。「当博物館から現代GPに応募するとしたらどんな計画を立てるか。年間2,000万円程度の予算、3年計画でプランを立ててみなさい」というもの。現代GPというのは文部科学省が一定のテーマのもと特色ある研究や教育を行なう大学に支給する助成金のこと(詳細は文科省サイトで→こちら)だが、要するにこの書類をつくりなさいというのを助教授採用の審査資料にしようというわけだ。これえ、やっぱ恥ずかしいんじゃないの? とは言い条本学も、看板をつけかえた新体制のその看板になるスタッフを外からお招きするなんてことをやってるんだから、まあ五十歩百歩であるかなあ。「私たちが掲げているこの看板では学生を呼び寄せにくくなりました」と「この看板を掲げているこの私たちでは学生を呼び寄せにくくなりました」との間にある関係を、時々はきちんと考えないとイカンよね。
 それはそれとして、街に出た合間を縫って数年前の卒業生2人と会う。2年ぶりくらい。山あり谷ありをこえて、今は穏やかな同居生活に入りつつあるそうだ。善き哉。