同じくキャンベラにあるAWMオーストラリア戦争記念館Australian War Memorialを訪問。ここでは豪日研究プロジェクトというのが進められていて、第二次大戦期の日本とオーストラリアのかかわりについて研究が進められている。7月に京都大学で開かれたオーラルヒストリーの会第8回研究会で報告された田村恵子さんはここでしばらく研究をなさっていたそうだ。相手をしてくれたスティーブさんが懐かしそうにしておられた。このプロジェクト、1996年の発足にあたっては村山富市首相(1994年当時)の平和友好交流計画がもとだったんだそうな。なんだ、ちゃんとしたお金の使い方もしてるじゃないか。
 ここでは過去の資料だけでなく、存命する従軍経験者などにも精力的にインタビューをとっているようだ。その先が吃驚(びっくり)。インタビューの際それを文字に起こして公開してもよいか、館内での一般閲覧にかぎるか、あるいは資格のある研究者にのみ見せるようにするか、といったことをちゃんと文書化してインタビュイーと契約を結んでいる。なあなあの聞き書きではないのが印象的。
 兼ねてからこことかかわっている日本人研究者によると、ここは、ある意味でオーストラリア人にとっての靖国なんだそうだ。建物はちょいと原爆ドームみたいだったが。
 そのインタビューのためのスタジオ。大きなガラスをはさんで左側の部屋に操作パネルや録音機器が並んでいる。