ほな、しばしさいなら。
 北上する台風から逃れるように伊丹から成田に移動し第一の目的地ワシントンへ。お昼ご飯のあとにワインを2本もらって(くらって)とっとと寝る。あいにく近くにいたお子たちの泣き声(とお母さんの「静かにしなさい!」)で何回か覚醒するが、着陸前の晩ご飯(現地の朝ご飯)までそこそこ寝られた。

 ワシントンが近づいてきたところでやたらと似たような高度に飛行機雲。だけでなく飛行機も。ちゃんとコントロールされてはいるんだろうが、これだけよく見える距離に別の飛行機が飛んでいるとちょっとこわいかも。エアカーが列をなして異なる高さを飛行しているスターウォーズのシーンを思い出してしまった。

 ダレス空港に着陸直後、ブレーキをかける主翼。飛行機に乗って何が楽しみといって、離着陸時に主翼がひくひく動いているのをみるのが楽しみ。この微妙な動きで空気の流れが変わり、それでもって機体の姿勢が変わっているのだと思うと妙に感動する。

 エクスペディアで予約したホテルは室内どころか館内禁煙。アメリカのみなさんのことだから、街中もさぞかし窮屈だろうと覚悟してきたが、なんのことはない、ホテル玄関にちゃんと灰皿が設置してある。バタバタしていて出発前に買う余裕がなかったが、成田の免税店でハイライトをカートン買いしといてよかった。

 出発前のやきもきとは裏腹のスムーズな到着に気をよくして、さっそくお昼過ぎに行動開始。先に到着して調査を開始しているメンツ(法学者2人)に連絡をとり投宿中の宿に合流。で、まずはナショナルアーカイブズへ。建物の前には、アーカイブズの世界ではよく言及される言葉が台座に刻まれた像。で、そこには THE HERITAGE OF THE PAST IS THE SEED THAT BRINGS FORTH THE HARVEST OF THE FUTURE と書かれている。

 で、実は(というほどでもないが)ナショナルアーカイブズの前の正面、後ろの正面にはそれぞれ左右にこういう像があって、それぞれの台座に言葉が刻まれている。上の像の隣の像の台座には ETERNAL VIGILANCE IS THE PRICE OF LIBERTY とあり、反対側の左右の像の台座にはそれぞれ、STUDY THE PAST および WHAT IS PAST IS PROLOGUE とある。…なんだか四方の守りを固める四天王みたいではある。
 入口でボディチェックを受け、利用者カードを作ってもらいにカウンターへ。担当者氏より、まずあそこにあるパソコンに表示してあるパワポスライドを読むようにと指示される。アーカイブズにどんな資料があるか、利用者はどんなことに注意しなければならないか、など、初心者にもわかりやすく(英語でだが)書かれている。それを読み終えて館内では職員の指示を守る旨伝えると顔写真をとられてその顔写真入りの利用者カードを作ってもらえる。このパワポスライドがなかなかいいものだったのでデジタルデータでもらえないかと頼んだところ、館のサイトのどこかにあるとのこと。…未確認だが見つかったらまたご紹介します。
 現物資料に当たる時間まではなかったのでエントランスホールでカウンターに置いてある無料配布の資料を物色。資料集めを終えたところで周辺施設の配置などを地図で確認しながらてくてくと宿に戻る。途中で見たFBIの玄関前とか。

 ホワイトハウス(裏側)の前には騎馬隊が出ている。何回か訪れている同行のO氏によるとこれは珍しいらしい。ちょうど30名ほどの人々が何かの抗議行動(歩道をぐるぐる回る小さなデモ)をしており、その警戒らしい。デモのかけ声を聞いたり持っているプラカード(B4版ちょい大きめ)を見たりしていると、トロイという人を死刑から救えというような趣旨らしい。…トロイといえばテンペストなどとふざけたことを言っていてはいけない。

 議事堂があり広場(モール)があり、高くそびえるモニュメントがあり…なんとなくキャンベラの戦争記念館周辺と似ているような印象がある。
 同行のO氏、Y氏のレクチャーを聞きながら議事堂周辺のキャピトルヒルと呼ばれる地域の配置を確認し、暗くなる少し前に無事の合流を寿ぐべく夕食。しっかり食べて宿に戻りお風呂を入れながらテレビをつけてびっくり。つい先ほど抗議行動の行われていた男性の死刑が執行されたというニュース。名前を確認して調べたらウィキペディアにも出ていた。まあアメリカじゃ、いろんなことに抗議する人がいるからねーなどと構えていた話が急に生々しくなった。満腹の眠気が吹っ飛んでしまったが、かたまった体をお湯でゆるめてとっとと寝る!